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採用サイトとは

採用サイトとは、企業が自社の採用活動のために独自に運営するWebサイトのことです。「採用ホームページ」「リクルートサイト」と呼ばれることもあります。求人媒体に載せる求人票と違い、載せられる情報の量にも見せ方にも制限がなく、掲載する期間も企業が自分で決められます。

このページは一般論だけで書いていません。RELENSが同じ基準で観察した採用サイト69件の実測値をあわせて載せています。

What is a Recruiting Site

採用サイトとは何か

採用に関わるWebページには、大きく3つの種類があります。似ているようで果たす役割がはっきり違うため、混同したまま作ると、どれとも違う中途半端なものになります。実際にどう作り分けられているかは採用サイト事例集で確認できます。

採用サイト・求人サイト(求人媒体)・コーポレートサイトの違い

01

採用サイト

役割
候補者が応募するかどうかを判断する材料をそろえる
情報量
制限なし。何をどの順で見せるかを自社で決める
運用
自社。掲載期間も内容も自由に変えられる
自社運用情報量に制限なし掲載期間も自由
02

求人媒体

役割
まだ自社を知らない候補者に見つけてもらう
情報量
媒体のフォーマットに従う。他社と同じ枠で並ぶ
運用
媒体社。掲載期間と費用が決まっている
媒体社運用フォーマット固定掲載期間と費用が決まる
03

コーポレートサイトの採用ページ

役割
取引先や株主も読む前提で、会社の概要を示す
情報量
採用は数ある項目のひとつ。分量は取りにくい
運用
自社。ただし全社のガイドラインに従う
自社運用採用は一項目全社ルールに従う

Do You Need a Recruiting Site

自社に採用サイトは必要か

採用サイトはすべての企業に要るものではありません。次の5つのうち3つ以上に当てはまるなら、検討する価値があります。いずれも自社の採用データで答えられる設問です。

5つの設問で判断する

採用人数が継続的に一定以上ある

年に数名を単発で採る状態では、制作費も運用の手間も回収しにくくなります。毎年続けて採用する見込みがあるかどうかが分かれ目です。

媒体やスカウト経由で社名検索が発生している

検索されているのに自社のページがなければ、候補者は口コミサイトや第三者のまとめ記事で判断します。Search Consoleの指名検索数や、面接での「調べました」という発言で確認できます。

求人票の枠では仕事内容やカルチャーを説明しきれない

媒体の求人票は項目が決まっています。書きたいことが枠に入らない、という実感があるなら、置き場所が足りていません。

採用競合と並べられたとき、情報量で見劣りする

候補者が併願する企業の採用サイトを3社開いて、自社の情報量と比べてみてください。判断はここでほぼ決まります。

職種ごとに説明すべき仕事内容が大きく違う

職種が1つなら求人票で足ります。エンジニアと営業で判断材料がまったく違うなら、職種別に分けて置ける場所が要ります。

Why Recruiting Sites Matter

採用サイトの目的と必要性

採用サイトを持つ目的は、母集団を増やすことではありません。媒体やスカウトで生まれた興味を、応募まで運ぶことです。必要性が最も高くなるのは、候補者が複数社を並べて最後に決める場面です。事例集でも、最終比較を意識した情報設計かどうかで作りが分かれます。

候補者が応募を決めるまでに通る4つの段階

01

出会う

求人媒体、スカウト、説明会、社員紹介。自社サイトの外側で起きる

02

調べる

応募の前に、ほぼ確実に社名で検索する

03

読む

自社の採用サイト口コミサイト・第三者のまとめ記事
04

決める

応募する、または見送る

採用サイトが主に担うのは02と03です。ここに自社のページが無いと、候補者は第三者が書いた情報だけで04を決めます。職種や技術、働き方のコンテンツを充実させれば、01の段階で検索やSNSから見つけてもらう入口にもなります。

求人媒体だけのときに起きること

求人媒体だけの場合

他社と同じフォーマットに並ぶ

媒体の求人票は項目が決まっているため、書ける内容は職種、勤務地、給与、待遇に収束します。読み手は自然と条件面で比較します。事業の面白さや組織の考え方は、そもそも書く欄がありません。

社名で検索されたときに受け皿がない

媒体で興味を持った候補者は、応募の前にほぼ確実に社名を調べます。自社が用意した情報がなければ、候補者は口コミサイトや第三者のまとめ記事を読んで判断します。

採用サイトがある場合

条件以外の判断材料を渡せる

分量にも見せ方にも制限がないため、事業の背景や組織の考え方を説明できます。給与や勤務地で他社に勝てない企業ほど、この差が効きます。

社名検索の着地点を自社で持てる

候補者が最初に開くページを自社で用意できます。媒体やイベントで生まれた興味を、そのまま応募まで運ぶ経路になります。

What a Recruiting Site Changes

採用サイトのメリットと効果

採用サイトのメリットは3つに整理できます。いずれも応募数そのものより、応募から内定承諾までの歩留まりに効くものです。費用の目安は採用サイト制作の費用相場で確認できます。

メリットとして現れる3つの変化

01

応募前の理解が深まる

選考中の離脱が減る

仕事の中身、一緒に働く人、評価のされ方を先に読んでいる候補者は、面接での確認が少なくて済みます。入社後のギャップも小さくなります。

02

条件以外で選ばれる

価格競争から抜ける

給与や勤務地で他社に勝てない企業ほど効きます。条件表では表せない事業内容や組織の考え方を、分量をかけて説明できる場所は自社サイトしかありません。

03

媒体費を抑えられる

時間はかかる

社名で検索した候補者を直接受け止められるようになると、媒体経由の比率が下がります。ただし公開した月から現れる効果ではありません。

Downsides of a Recruiting Site

採用サイトのデメリットと注意点

採用サイトのデメリットは、持つことで生まれる運用の負担と、作り方を誤ったときの逆効果の2つです。導入を判断する前に、次の3つを確認してください。運用を含めた進め方は採用サイトの作り方にまとめています。

デメリットになりやすい3つのこと

01

作っただけでは人が来ない

社名で検索されない企業では、検索エンジンからの訪問はほとんど発生しません。採用サイトは自力で母集団を作る仕組みではないため、媒体・スカウト・SNS・説明会からの導線を別に用意する必要があります。ここを用意しないまま公開すると、誰も見ないページになります。

流入の設計が別途必要
02

更新が止まると、情報がないより悪くなる

更新されないまま残った制度や取り組みの記載を、候補者が志望理由に挙げることがあります。そして選考の途中でずれが発覚します。候補者の時間と選考の時間を両方失うため、情報が少ない状態より悪い結果になります。作る予算より、運用を続けられるかどうかが結果を左右します。

公開後の運用体制記載の棚卸し
03

良い面だけ書くとミスマッチが増える

伏せられがちなのは厳しい側の事実です。責任の重さ、求められる要件の高さ、止められない業務。これらを伏せたまま採ると、入社前と後で期待がずれ、選考途中の辞退か早期離職に変わります。どちらも応募数の指標には出てきません。

辞退早期離職

What to Put on a Recruiting Site

採用サイトには何を掲載するか

掲載する情報は6つに分類できます。すべてを一度に揃える必要はありませんが、どの分類が自社に欠けているかは先に把握しておきます。

掲載情報の6分類

01

会社

沿革、経営の考え方、数字で見た規模。候補者が会社を第三者に説明できる材料になります。

02

事業

何で収益を得ているか、どの事業が伸びているか。配属先の推定につながるため、構成比まで出すと精度が上がります。

03

仕事

職種ごとの実務、1日の流れ、必要な経験。職種の数だけ用意しないと、書かれていない職種の候補者は判断できません。

04

人・カルチャー

社員インタビュー、意思決定のしかた、評価の基準。「風通しがよい」という解釈ではなく、観察できる事実で書きます。

05

働き方・制度

給与の決まり方、評価、勤務地、休みの取り方。最終比較で最も見られる一方、抜けやすい分類です。

06

採用情報

募集要項、選考フロー、よくある質問、エントリー導線。読み物より先に、ここが揃っているかを確認します。

69 Recruiting Sites, Measured

69件を調べてわかった採用サイトの実態

ここからは一般論ではなく、実際に数えた数字です。RELENSは掲載している採用サイト69件すべてを同じ基準で観察し、使われている表現手法と、打ち出している訴求テーマを1件ずつ記録しています。

調査対象
RELENSが掲載している採用サイト69件
集計日
2026年9月11日
集計項目
表現手法(7分類)/訴求テーマ(10分類)
数え方
1サイトが複数項目に該当する。割合は母数69件に対する出現率
更新
事例を追加するたびに再集計され、このページの数値も入れ替わる

表現手法の出現率(母数69件・複数該当あり)

  • 写真97.1%
  • タイポグラフィ46.4%
  • 図解・インフォグラフィック23.2%
  • イラスト18.8%
  • アニメーション17.4%
  • 動画17.4%
  • 3DCG4.3%

写真は97.1%。ほぼ全社が使うということは、写真があること自体では差がつかないということです。一方で図解・インフォグラフィック、イラスト、アニメーション、動画、3DCGは、いずれも4分の1に届きません。動画がないと見劣りすると考えられがちですが、実際には8割の企業が使わずに成立させています。動画を使っている事例と写真だけで組み立てている事例を並べて比べると、手法ではなく中身で差がついていることが見えます。

訴求テーマの出現率(母数69件・複数該当あり)

  • 仕事・職種66.7%
  • 人・カルチャー58%
  • 事業・プロジェクト50.7%
  • 働き方・制度44.9%
  • 挑戦36.2%
  • キャリア30.4%
  • 社会的意義30.4%
  • 成長・育成27.5%
  • 技術・専門性15.9%
  • グローバル11.6%

最も多いのは仕事・職種で66.7%。多いということは、そこを訴求しても他社と同じ土俵に立つということでもあります。自社が何で選ばれたいかを決めてから、この分布と照らすのが順序です。仕事・職種を打ち出している事例と社会的意義を打ち出している事例では、同じ会社説明でも書き出しがまったく違います。

Recruiting Sites, Redefined by AI

AIが採用サイトの前提を変えた

候補者が生成AIに「この会社はどういう組織か」と尋ねる行動が増えました。生成AIは公式サイト・求人媒体・ニュース・口コミなどWeb上のさまざまな情報を参照します。そのなかで採用サイトは、仕事内容や制度、組織の考え方を企業自身の言葉で確認できる一次情報源にあたります。

候補者の読み方がどう変わったか

Before

これまで

候補者が自分で検索し、自分で読んで判断していた状態

Now

これから

AIが候補者の代わりに読み、要約して伝える状態

Three Conditions for What Comes Next

これからの採用サイトに必要なこと

ここまでを踏まえると、採用サイトに求められる条件は3つに絞られます。

満たすべき3つの条件

01

一次情報であること

他社の採用サイトにも書いてある一般的な言葉ではなく、自社でしか書けない事実を書く。事業の背景、実際の業務、評価の基準。抽象度を下げるほど価値が出ます。

02

更新され続けること

公開が終わりではなく始まりです。募集状況、社員の異動、制度の変更。更新が止まった採用サイトは、情報がないより判断を誤らせます。

03

事実と解釈が分かれていること

「風通しがよい」は解釈です。何をもってそう言えるのかという事実がなければ、候補者は判断できません。観察できる事実を書き、そのうえで意味づけを添える。この順序が信頼につながります。

Frequently Asked Questions

採用サイトについてよくある質問

採用サイトと求人サイト(求人媒体)の違いは?

求人サイトは媒体社が運営し、決まったフォーマットに沿って求人票を掲載します。掲載期間と費用が決まっており、他社と同じ枠に並びます。採用サイトは企業が自社で運営するため、載せる情報の量にも見せ方にも制限がなく、掲載期間も自社で決められます。役割も違い、求人サイトは「まだ自社を知らない人に見つけてもらう」、採用サイトは「応募するかどうかを判断する材料をそろえる」ために使います。

コーポレートサイトに採用ページがあれば十分では?

採用人数が少なく、職種も1つであれば足りることがあります。ただしコーポレートサイトは取引先や株主も読む前提で作られるため、採用は数ある項目のひとつになり、分量を取りにくくなります。全社のデザインガイドラインにも従う必要があります。職種ごとに説明すべき内容が違う場合や、求人票の枠に収まらない情報がある場合は、別に持つ判断が出てきます。

採用サイトはなぜ必要なのですか?

媒体やスカウトで興味を持った候補者は、応募の前にほぼ確実に社名を検索します。このとき自社が用意したページがなければ、候補者は口コミサイトや第三者のまとめ記事で判断することになります。採用サイトの役割は母集団を増やすことではなく、すでに生まれた興味を応募まで運ぶことです。複数社を並べて最後に決める場面で、情報量の差がそのまま結果に出ます。

新卒採用と中途採用でサイトを分けるべきですか?

判断材料が重ならないなら分けます。新卒は事業や成長環境、中途は担当する業務と待遇を先に確認するため、同じページに同居させると両方にとって読みにくくなります。RELENSが観察した事例でも、東京電力、DeNA、講談社、良品計画などが新卒と中途で別サイトを持っています。ただしページ数が増えるぶん更新の手間も増えるため、運用体制と併せて判断してください。

採用サイトには何を載せればいいですか?

会社・事業・仕事・人とカルチャー・働き方と制度・採用情報の6つに分類できます。すべてを一度に揃える必要はありませんが、募集要項や勤務条件、給与といった当たり前の情報が抜けていると、凝った読み物があっても比較の段階で落ちます。読み物より先に、判断に必要な情報が揃っているかを確認してください。

採用サイトはいつから制作を始めればいいですか?

公開したい時期から逆算します。企画と要件の整理、取材と撮影、原稿、デザイン、実装、確認の工程が入るため、規模によって3〜6か月程度かかることが一般的です。新卒採用では選考の開始時期に間に合わせる必要があるため、前年の夏までに動き出す企業が多くなります。取材対象の社員の予定を押さえる工程が最も遅れやすい箇所です。

採用サイトを作れば応募は増えますか?

採用サイトは自力で母集団を作る仕組みではないため、公開しただけでは訪問が発生しません。媒体・スカウト・SNS・説明会からの導線を別に用意する必要があります。効果が現れやすいのは応募数より、選考の通過率、内定の承諾率、入社後の定着といった応募より後の指標です。応募数だけを目標に置くと、魅力を強く出す方向にしか改善が向かなくなります。

実際の採用サイトを研究する

このページの数値のもとになっている69件は、すべて実際にサイトを開いて記録したものです。企業ごとに、採用メッセージの設計、コンテンツ構成、表現手法、そしてRELENSの考察を分けて読めます。業界・採用区分・訴求テーマ・表現手法で絞り込めるので、自社と条件の近い企業から見てください。