GUIDE
採用サイトの作り方
何から始め、どの順番で決めるか。手順に加えて「何をどれだけ作るのか」を、RELENSが掲載している採用サイト67件の実測から示します。
Before You Start
作り始める前に決めること
最初にやるのは参考サイトを集めることではありません。その課題が採用サイトで解けるのかを判断することです。ここを飛ばすと、作ったあとで効果がないと言われます。
そもそも母集団がいない
社名で検索されない企業では、採用サイトを公開しても訪問が発生しません。媒体・スカウト・SNS・説明会からの導線を先に用意する必要があります。
給与や勤務条件で競合に届いていない
条件の差は文章では埋まりません。伝え方を変えるより、条件そのものを見直すか、条件で選ばない層に狙いを変えるかの判断になります。
社名検索の受け皿がない
媒体で興味を持った候補者が社名を調べたとき、自社のページがなければ口コミサイトや第三者のまとめ記事で判断されます。
選考中の辞退が多い
応募前に仕事内容やカルチャーを理解していないまま進むと、面接での確認が増え、途中で認識のずれが出ます。事前に読める情報を増やすと歩留まりが変わります。
Six Steps
採用サイトの作り方6ステップ
目的 → ターゲット → 伝える内容 → 構成 → 制作 → 運用の順です。この順番を入れ替えると、あとの工程で必ず戻ります。
各ステップで決めること
| ステップ | やること | この工程の成果物 |
|---|---|---|
| 01 採用課題を数字で整理する | 「応募が少ない」ではなく、どの職種で、選考のどの段階で、何人足りないのかまで落とします。応募数・書類通過率・面接通過率・内定承諾率・入社後の定着を並べると、落ちている段階が見えます。サイトで解ける課題かどうかは、ここで判断します。 | 職種ごとの不足人数と、落ちている選考段階 |
| 02 採用ターゲットを職種単位で言語化する | 全社でひとつのターゲット像を作ると、どの職種の候補者にも当てはまらない文章になります。職種ごとに、前職、転職や就職の理由、比較している企業、入社後に任せる範囲を書き出します。 | 職種ごとのターゲット像と、併願されている企業 |
| 03 何を伝えるかを決める | 自社の強みを探しに行くと、どの会社にも書けることが並びます。ターゲットが判断に使う情報から逆算します。給与や勤務地で勝てないなら、事業の背景や仕事の任され方など、条件表に載らない情報が中心になります。 | 職種ごとに伝える内容と、伝えない内容 |
| 04 構成とコンテンツを決める | 候補者が知りたいことを「会社」「仕事」「人」「環境」「応募判断」の5つに分け、それぞれに1つ以上のコンテンツを置きます。読み物より先に、募集要項・勤務条件・選考フローといった応募判断に必要な情報を揃えます。 | サイトマップと、作るコンテンツの一覧 |
| 05 取材・撮影・原稿を進める | 最も遅れやすい工程です。取材対象の社員の予定を押さえるところから始まり、原稿の確認にも時間がかかります。誰が何をいつまでに確認するかを先に決めておかないと、ここで数週間止まります。 | 原稿と写真、確認者と締切 |
| 06 公開後の運用を決めてから公開する | 公開は終わりではなく始まりです。募集状況、社員の異動、制度の変更。更新が止まった採用サイトは、情報がないより候補者の判断を誤らせます。誰が月に何時間使うかを決めてから公開します。 | 更新の担当者と頻度、見直す項目 |
67 Recruiting Sites, Measured
何をどれだけ作るのか
作り方の記事で最も答えが曖昧になるのが分量です。RELENSが掲載している採用サイトを全件開いて数えました。
- 調査対象
- RELENSが掲載している採用サイト69件(集計母数67件)
- 調査日
- 2026年9月12日
- 判定方法
- 全件を実際に開き、トップから1クリックで到達できるコンテンツを数えた
- インタビュー本数の注記
- 一覧ページ配下の個別ページ数で数えたため、多い側の数字は実際より大きく出ている可能性がある
分量の実測
コンテンツは中央値7種類
最少3種類から最多13種類。一覧記事で紹介される「必須12選」をすべて揃えているサイトはほとんどありません。
社員インタビューは半数が置いていない
設置率は49.3%。必須コンテンツとして紹介されますが、半数の採用サイトにはありません。
本数は2本から数十本まで
本数を数えられた24サイトのうち、3本以下で公開しているサイトが4件(16.7%)ありました。
In-House or Outsource
自社で作るか、制作会社に依頼するか
判断の分かれ目は制作費ではありません。公開後に自分たちで更新し続けられるかどうかです。
5つの観点で判断する
| 観点 | 自社制作が向いている | 外注が向いている |
|---|---|---|
| 採用人数 | 年に数名。職種も1〜2 | 継続的に一定数。職種が分かれている |
| 伝えたいこと | 募集要項と基本情報が中心 | 条件以外の判断材料まで伝えたい |
| 社内のリソース | 文章を書ける人と更新できる人がいる | 通常業務と兼務で、取材や撮影まで手が回らない |
| 素材 | 写真と原稿が既にある | 取材・撮影から必要 |
| 公開後 | 自分たちで更新し続けられる | 更新の仕組みごと用意してほしい |
自社制作を選んだ場合でも、STEP1〜3は省けません。ノーコードツールで作れるのはSTEP4以降です。課題の整理とターゲットの言語化を飛ばすと、ツールを変えても結果は変わりません。
Ten Questions
相談前に答えを持っておく10の問い
制作会社に声をかける前に、社内で答えを出しておく項目です。ここが揃っていると、比較できる見積もりが返ってきます。
社内で答えを出しておく項目
どの職種で、何人足りないのか
選考のどの段階で落ちているのか
候補者は自社とどこを比較しているのか
給与・勤務地で競合に勝てているのか
応募者は自社の何を知らずに辞退しているのか
今あるページで、候補者が判断できない情報はどれか
社員に取材できる体制があるか
公開後、誰が何を更新するのか
成果を何で測るのか(応募数か、通過率か、定着か)
いつまでに公開する必要があるのか
同じ100万円でも「デザインと実装だけ」と「企画・取材・ライティング・撮影まで含む」では中身がまったく違います。社数を増やすより、同じ条件で見積もりを取ることのほうが比較になります。費用の内訳は採用サイト制作の費用相場にまとめています。
Common Mistakes
採用サイト作りでよくある失敗
相談の現場で繰り返し出てくる5つです。いずれも制作の技術ではなく、順番の問題です。
順番を間違えると起きること
参考サイトのデザインから考え始める
他社の採用サイトを並べて「この雰囲気で」と決めると、伝えたいことが後付けになります。デザインは、伝える内容が決まってから決める順番です。
コンテンツを増やしすぎる
実測では1サイトあたり中央値7種類でした。一覧記事の「必須12選」をすべて揃えたサイトはほとんどありません。更新できない本数を作ると、翌年には古い情報が並びます。
応募数をKPIに置く
応募数だけを追うと、魅力を強く出す方向にしか改善が向きません。実態とのずれは応募の後に出るため、辞退や早期離職という別の形で現れます。
社内の言いたいことだけで作る
経営が伝えたいことと、候補者が知りたいことは一致しません。トップメッセージが充実していても、仕事内容が書かれていなければ応募の判断はできません。
公開後の運用を決めていない
制作費の議論に時間をかけ、更新の担当を決めないまま公開する。最も多い失敗です。更新が止まった採用サイトは、情報がない状態より悪く働きます。
Frequently Asked Questions
作り方についてよくある質問
採用サイトを作るとき、最初にやるべきことは?
デザインの参考サイトを集めることではありません。どの職種で何人足りないのか、選考のどの段階で落ちているのかを数字で整理することです。ここが曖昧なまま制作に入ると、伝えたいことが後付けになり、どの会社にも書ける内容が並びます。採用サイトで解ける課題かどうかも、この整理で判断できます。
採用サイトは何ページ必要ですか?
ページ数に決まりはありません。RELENSが採用サイト67件を調べたところ、1サイトが置いているコンテンツの種類数は中央値で7種類、最少3種類から最多13種類でした。一覧記事で紹介される「必須12選」をすべて揃えているサイトはほとんどありません。種類を増やすより、応募の判断に必要な情報が欠けていないかを確認してください。
社員インタビューは何本必要ですか?
そもそも社員インタビューを置いている採用サイトは49.3%で、半数は置いていません。本数を数えられた24サイトでは2本から数十本まで開きがあり、3本以下で公開しているサイトも4件ありました。優先すべきは本数ではなく、募集している職種すべてに1本ずつあることです。
採用サイトの制作にはどのくらい期間がかかりますか?
規模によりますが、企画と要件の整理、取材と撮影、原稿、デザイン、実装、確認を含めて3〜6か月程度が目安です。最も遅れやすいのは取材対象の社員の予定を押さえる工程で、ここで数週間止まることがあります。新卒採用では選考の開始時期から逆算し、前年の夏までに動き出す企業が多くなります。
自社で作るのと制作会社に依頼するのはどちらがいいですか?
採用人数が年に数名で職種も1〜2、写真と原稿がすでにあり、社内に更新できる人がいるなら自社制作で足ります。職種が分かれていて条件以外の判断材料まで伝えたい場合や、取材・撮影から必要な場合は外注が向きます。判断の分かれ目は制作費ではなく、公開後に自分たちで更新し続けられるかどうかです。
制作会社は何社くらい比較すべきですか?
社数より、同じ条件で見積もりを取ることのほうが重要です。同じ100万円でも「デザインと実装だけ」と「企画・取材・ライティング・撮影まで含む」では中身がまったく違います。相談前に社内で答えを持っておく10の問いを揃えてから声をかけると、比較できる見積もりが返ってきます。
作る前に、実際の採用サイトを見る
このページの数字のもとになっている69件は、すべて実際にサイトを開いて記録したものです。他社がどの順番で何を置いているかを、観察記録として読めます。