採用サイトの作り方を知る
企画から公開までの8ステップと準備項目を解説
公開日: 2026/08/13
最終更新日: 2026/08/14
採用サイトを作ることになったものの、
「まず何から始めればいいのか分からない」
「どのタイミングで社員インタビューや撮影を進めればいいのか」
「デザインを考える前に何を決めておくべきなのか」
と悩む採用担当者も多いのではないでしょうか。
採用サイト制作では、いきなりデザインを作るのではなく、採用課題・ターゲット・伝える内容を整理してから、サイト構成やコンテンツ、デザインへ落とし込んでいくことが重要です。
この記事では、採用サイトの作り方を次の8ステップに分けて解説します。
- 採用課題と目的を整理する
- ターゲットを整理する
- 採用サイトのコンセプトを決める
- 必要なコンテンツを整理する
- サイトマップ・導線を設計する
- 取材・撮影・原稿制作を行う
- デザイン・開発を行う
- 公開・効果測定・改善を行う
採用サイト制作をこれから始める方は、プロジェクト全体を設計する際の参考にしてください。
採用サイトを作る前に知っておきたいこと
採用サイトは、募集要項を掲載するだけのWebサイトではありません。
候補者に対して、
- どのような会社なのか
- どのような仕事ができるのか
- どのような人が働いているのか
- どのような価値観を持つ会社なのか
- 入社するとどのような経験ができるのか
といった情報を伝え、企業理解を深めてもらう役割があります。
そのため、採用サイトの作り方を考えるときには、
どんなページを作るか
より先に、
誰に、何を伝えるサイトにするか
を決める必要があります。
この順番を逆にしてしまうと、見栄えは整っていても「何を伝えたいのか分からない採用サイト」になりやすいため注意しましょう。
採用サイトの作り方8ステップ
STEP1採用課題とサイト制作の目的を整理する
最初に整理したいのが、採用サイトを作る理由です。
例えば、
- 会社名は知られているが仕事内容が理解されていない
- 求人媒体だけでは会社の魅力を伝えきれない
- 応募は集まるが、自社に合う人材からの応募が少ない
- 選考途中の辞退が多い
- 新卒採用と中途採用で伝える情報が整理されていない
- 採用情報がコーポレートサイト内に散らばっている
など、企業によって課題は異なります。
この段階で重要なのは、
「採用サイトを作ること」自体を目的にしないことです。
例えば、
現状:求人媒体では仕事内容の違いが十分に伝わっていない
↓
課題:候補者が入社後の働き方をイメージしにくい
↓
採用サイトの役割:社員やプロジェクトの情報を充実させ、仕事理解を深める
というように整理すると、後のコンテンツ設計につながります。
最初に確認したい項目
- 採用サイトを作る理由
- 現在の採用課題
- 年間の採用人数
- 採用職種
- 新卒/中途
- 現在利用している求人媒体
- 候補者が企業を知る経路
- 選考中によく聞かれる質問
- 選考辞退の理由
- 現在の採用サイトの課題
STEP2採用ターゲットを整理する
次に、
誰にサイトを見てもらいたいのか
を整理します。
「20代」「エンジニア」「新卒学生」だけでは、採用サイトのターゲットとしては少し広すぎます。
例えばエンジニア採用でも、
- 技術力を高めたい人
- 大規模プロジェクトに携わりたい人
- 裁量を持って働きたい人
- マネジメントに進みたい人
では、知りたい情報が異なります。
ターゲットを考えるときには、年齢や職種などの属性だけでなく、
- 転職・就職で重視していること
- 現在感じている不安
- 企業を比較するときの判断基準
- 自社に魅力を感じる可能性があるポイント
- 入社をためらう要因
まで整理すると、サイトで伝えるべき情報が見えてきます。
ターゲットは一人に絞る必要はない
採用サイトでは複数の職種を募集することもあります。
その場合、無理に一つのペルソナへ統一する必要はありません。
例えば、
共通して伝えること
- 会社の価値観
- 事業
- カルチャー
職種ごとに変えること
- 仕事内容
- キャリア
- 求められるスキル
- 社員インタビュー
というように整理すると設計しやすくなります。
STEP3採用サイトのコンセプトを決める
採用課題とターゲットを整理したら、採用サイト全体で何を中心に伝えるのかを決めます。
ここでいうコンセプトは、単なるキャッチコピーではありません。
例えば、「若手が早くから挑戦できることを伝える」という方針を決めた場合、
- 若手社員のインタビューを増やす
- 入社年次と担当プロジェクトを紹介する
- 成長機会を数字で伝える
- 写真でも若手社員を中心に見せる
など、その後のコンテンツやデザインの判断基準になります。
採用サイトのコンセプトでは、採用コンセプトは、「自社にどんな魅力があるか」だけで決めるものではありません。
候補者から見れば、多くの企業が、
- 成長できる
- 挑戦できる
- 専門性を高められる
- 社会にインパクトを与えられる
- 多様なキャリアを選べる
といった似た価値を訴求しています。
そのため、採用コンセプトを考える際には、「自社の魅力は何か」だけでなく、「採用競合も同じ魅力を訴求していないか」まで確認することが重要です。
たとえばメガバンク3社を比較すると、「専門性」「デジタル」「社会インパクト」などは各社に共通して見られました。一方で、キャリアの自律性、人やカルチャー、グローバルな事業スケール、自己理解・キャリア探索などには違いが表れています。
つまり、候補者にとって重要な魅力であっても、競合も同じことを伝えているのであれば、それだけでは企業を選ぶ理由にはなりにくいということです。
採用コンセプトは、自社が持つ価値 × 候補者が求める価値 × 競合との違いの重なる場所から設計します。
コンセプトを考える3つの視点
1. 自社らしさ
- 自社が大切にしている価値観
- 他社とは異なる特徴
- 社員が感じている魅力
2. ターゲット
- 何を重視して企業を選ぶか
- どんな情報を知りたいか
3. 採用競合
- 候補者が自社と比較する企業はどこか
- 競合企業はどのEVPを強く訴求しているか
- 自社の魅力のうち、すでに業界の共通訴求になっているものは何か
- 自社だけが持つ価値、または自社ならではの意味づけができる価値は何か
- 候補者が現在自社に持っているイメージと、採用で形成したいイメージにどのような差があるか
この3つを重ねながら、自社が採用サイトで強く伝えるテーマを決めます。
STEP4採用サイトに必要なコンテンツを整理する
コンセプトが決まったら、必要なコンテンツを考えます。
代表的なものには次があります。
企業について伝えるコンテンツ
- 会社紹介
- ミッション・ビジョン
- 事業紹介
- 数字で見る会社
仕事について伝えるコンテンツ
- 職種紹介
- プロジェクトストーリー
- 仕事の流れ
- キャリアパス
- 研修・育成
人について伝えるコンテンツ
- 社員インタビュー
- 社員座談会
- 1日のスケジュール
- クロストーク
環境について伝えるコンテンツ
- カルチャー
- 福利厚生
- 制度
- オフィス
- 働き方
応募に必要なコンテンツ
- 募集要項
- 選考フロー
- FAQ
- エントリー
ただし、これらをすべて掲載すればよいわけではありません。
例えば候補者が、
「入社後どんな仕事を任されるのか分からない」
と感じているのであれば、「仕事内容」「プロジェクト」「キャリア」を重点的に充実させるべきです。
一方、
「会社の雰囲気が伝わっていない」
という課題であれば、社員インタビューや座談会、写真の役割が大きくなります。
課題とコンテンツを紐づけて考えることが重要です。
STEP5サイトマップと導線を設計する
必要なコンテンツを整理したら、どのページにまとめるかを決めます。
例えば新卒採用サイトなら、
TOP
├ 会社について
├ 事業について
├ 仕事・職種
├ 社員インタビュー
├ プロジェクト
├ カルチャー・制度
├ 数字で見る会社
├ FAQ
├ 募集要項
└ エントリーといった構成が考えられます。
ここで重要なのは、単純にページを分類することではありません。
候補者がサイトに訪れた後、
どの情報から、どの情報へ興味を広げていくか
まで考えます。
例えば、
社員インタビュー
↓
その社員の職種紹介
↓
関連するプロジェクト
↓
募集要項
という導線を作れば、「人への興味」から「仕事内容」「応募条件」まで理解を広げることができます。
トップページですべてを説明しない
採用サイトではトップページに情報を詰め込みすぎるケースがあります。
トップページの役割は、
すべての情報を読むページではなく、候補者が興味のある情報へ進む入口
と考えると整理しやすくなります。
STEP6取材・撮影・原稿制作を行う
サイト構成が決まったら、実際のコンテンツを制作します。
特に採用サイトでは、
- 社員インタビュー
- 社員写真
- オフィス写真
- 仕事風景
など、自社独自の素材が重要です。
社員インタビュー
インタビューでは、
- 現在の仕事内容
- 入社理由
- 仕事の面白さ
- 苦労した経験
- 成長したこと
- チームやカルチャー
- 今後やりたいこと
などを聞きます。
ただし全員に同じ質問をするだけでは、似た記事が並んでしまうことがあります。
「この社員を通して何を伝えたいのか」を先に決めて質問を設計しましょう。
写真撮影
写真についても、単純な社員プロフィール写真だけではなく、
- 会議
- 接客
- 作業
- チームで話している場面
- オフィス
- 実際の仕事道具
などを撮影しておくと、サイト全体で利用できます。
撮影前に、
どのページの、どの場所で、何を伝える写真なのか
まで決めておくと、必要なカットを整理しやすくなります。
STEP7デザイン・開発を行う
コンテンツが固まったら、デザイン制作へ進みます。
デザインで重要なのは、
かっこいいかどうか
だけではありません。
採用サイトの目的・コンセプトと表現が合っているかを確認しましょう。
例えば、
「社員同士の距離が近い会社」
を伝えたいのに、人物写真がほとんどなく、無機質で硬いデザインになっていれば、伝えたい内容と表現が一致していません。
デザイン確認時のポイント
- コンセプトとデザインが合っているか
- ターゲットに合うトーンか
- 必要な情報を見つけやすいか
- スマートフォンで読みやすいか
- 写真・コピー・デザインに一貫性があるか
- エントリーへの導線が分かりやすいか
デザイン確定後は、コーディングやCMS構築などを進めます。
STEP8公開・効果測定・改善を行う
採用サイトは公開して終わりではありません。
公開後は、
- どのページが見られているか
- どのページから離脱しているか
- 社員インタビューは読まれているか
- エントリーへの遷移があるか
- 求職者からどのような質問が出ているか
などを確認します。
アクセス解析だけでなく、
- 採用担当者
- 面接官
- 内定者
- 新入社員
などから意見を集めることも有効です。
例えば、
「社員インタビューを読んで応募した」
という候補者が多ければ、そのコンテンツをさらに増やす判断ができます。
逆に、
「実際の仕事内容が分からなかった」
という声が多ければ、職種紹介の改善が必要です。
採用活動の変化に合わせて、サイトも更新・改善していきましょう。
採用サイト制作前に準備しておきたいもの
制作をスムーズに進めるため、次の情報・素材を事前に集めておくと便利です。
準備1会社・採用情報
- 会社概要
- 事業内容
- 採用人数
- 採用職種
- 募集要項
- 選考フロー
- 福利厚生
- 研修・制度
準備2採用に関する情報
- 採用課題
- ターゲット
- 求める人物像
- 採用競合
- 候補者からよく聞かれる質問
- 入社理由
- 辞退理由
準備3コンテンツ素材
- 社員写真
- オフィス写真
- 会社紹介資料
- 採用パンフレット
- 会社紹介動画
- 過去の社員インタビュー
- 社内アンケート
既存資料を制作会社に共有すると、企業理解を深めるための材料にもなります。
採用サイト制作の体制を決める
採用サイトは採用担当者だけでは作れない場合があります。
例えば、
- 採用担当
- 広報・ブランド担当
- 経営層
- 各部署
- 情報システム
- 法務
などが関係します。
制作開始時に、
誰が決定するのか
を明確にしておきましょう。
特にデザイン確認のたびに多くの関係者から意見を集めると、判断基準がぶれやすくなります。
おすすめは、
体制1プロジェクト責任者
最終判断をする人
体制2プロジェクト担当者
制作会社との窓口になる人
体制3各領域の確認者
採用、ブランド、システムなど必要な部分だけ確認する人
というように役割を分けることです。
採用サイト制作にはどのくらい期間が必要?
制作期間は、サイト規模やコンテンツ量によって変わります。
特に時間が必要になりやすいのは、
- 社内ヒアリング
- ターゲット・コンセプト整理
- 社員選定
- インタビュー
- 撮影
- 原稿確認
- デザイン確認
- 社内承認
です。
採用サイトでは制作会社の作業よりも、社内確認に時間がかかるケースも少なくありません。
そのため、
採用活動を始める日 = サイト公開日
として考えるのではなく、候補者が情報収集を始めるタイミングから逆算して公開スケジュールを決めましょう。
採用サイトを自社で作るか、制作会社に依頼するか
採用サイトは、
- 自社制作
- CMS・ノーコードツール
- 制作会社への外注
などの方法で制作できます。
どれが正解というわけではありません。
例えば、
ケース1自社制作が向いている
- 社内にWeb制作の知見がある
- ページ数が少ない
- コンテンツを自社で制作できる
- 更新頻度が高い
ケース2外注が向いているケース
- 採用課題から整理したい
- オリジナルデザインが必要
- 取材や撮影も依頼したい
- 社内にWeb制作担当者がいない
- 採用ブランドを見直したい
という違いがあります。
外注方法については「採用サイト制作とは?外注の流れ・費用・制作会社選びのポイントを解説」で詳しく紹介しています。
採用サイト作りでよくある失敗
よくある失敗1参考サイトのデザインから考え始める
参考サイトを探すことは有効ですが、
「このデザインが好きだから同じようにしたい」
だけで方向性を決めるのは避けましょう。
参考サイトを見るときには、
- なぜこのデザインなのか
- 何を伝えようとしているのか
- 自社にも同じ表現が適しているのか
まで考えることが重要です。
よくある失敗2コンテンツを増やしすぎる
「あれも載せたい」「これも必要」とページを増やしていくと、何を伝えたいサイトなのか分かりにくくなります。
コンテンツごとに、
誰の、どんな疑問に答えるページなのか
を整理して優先順位を付けましょう。
よくある失敗3社内の言いたいことだけで作る
企業側が伝えたいことと、候補者が知りたいことは必ずしも一致しません。
例えば会社が、
「創業以来の歴史を詳しく伝えたい」
と思っていても、候補者が最も知りたいのは、
「入社するとどんな仕事をするのか」
かもしれません。
候補者視点を持ちながら情報を整理しましょう。
よくある失敗4公開後の運用を決めていない
採用サイト制作時には、
- 誰が更新するか
- 何を更新するか
- どのくらいの頻度で更新するか
まで決めておくことをおすすめします。
公開後に更新できないサイトにしないためにも、CMSや運用体制を制作段階で考えておきましょう。
採用サイトの作り方についてよくある質問
よくある質問1採用サイトは何ページ必要ですか?
必要なページ数に決まった正解はありません。
採用職種、ターゲット、採用課題によって必要な情報が異なるためです。
ページ数から考えるのではなく、候補者に必要な情報を洗い出したうえでページへ整理しましょう。
よくある質問2採用サイトには何を載せればいいですか?
一般的には、
- 会社紹介
- 事業紹介
- 職種紹介
- 社員インタビュー
- カルチャー
- 制度・福利厚生
- 募集要項
などがあります。
ただし、すべての企業に同じコンテンツが必要なわけではありません。
詳しくは「採用サイトに必要なコンテンツ15選|ページ構成・サイトマップも解説」で紹介します。
よくある質問3採用サイトのデザインはどう決めますか?
採用コンセプトやターゲットをもとに決めます。
まず「どんな印象を与えたいか」を整理し、その印象を表現できる写真、カラー、コピー、レイアウトなどを検討します。
よくある質問4採用サイトを作るとき、最初にやるべきことは?
まず現在の採用課題を整理することです。
いきなりサイトマップやデザインを作るのではなく、
なぜ採用サイトを作るのか
を明確にすると、その後のターゲット、コンテンツ、デザインを判断しやすくなります。
まとめ|採用サイトは「目的→ターゲット→コンテンツ→表現」の順で作る
採用サイトの作り方で重要なのは、制作工程を正しい順番で進めることです。
改めて整理すると、
- 採用課題と目的を整理する
- ターゲットを整理する
- コンセプトを決める
- 必要なコンテンツを整理する
- サイトマップ・導線を設計する
- 取材・撮影・原稿を制作する
- デザイン・開発する
- 公開後に改善する
という流れになります。
特に、
採用課題 → ターゲット → コンセプト
の3つを整理してから制作に入ることが重要です。
RELENS 採用サイト研究所では、採用サイトを「学ぶ」「探す」「相談する」の視点から研究・紹介しています。
「他社はどのような採用サイトを作っているのか見てから考えたい」という場合は、採用サイト事例・デザインギャラリーから、自社の企画に近い事例を探してみてください。